快適な室内環境要素 活動量

活動量

快適な室内環境は健康にとって重要です。
温度が人間に与える影響は大きく、家を建てる場合は快適な環境を考慮に入れて建てます。人が快適か不快かは、非常に感覚的なものに思えますが、数値化し測定する方法があります。
快適性指標PMV
快適性の指標で有名なものはPMV(Predicted Mean Vote)です。「平均予想温冷感申告」とも言われます。
1967年にデンマーク工科大学の教授が実験を行い、快適方程式を完成させました。PMVは、快適方程式に体の熱負荷などを組み合わせて快適性を数値で表したものです。PMVで求められた環境で、どのくらいの人間が不満を抱くか、つまり何%の人がその環境に不満足かを表したものがPPD(Predicted Percentage of Dissatisfied)になります。
PMVの値が0だと快適な状態です。PMVがプラスになると暑くなり、マイナスだと寒くなります。PMVもPPDも温熱環境を表す指標で、国際規格になっています。PMVはオフィスづくりの温熱指数として、世界各国で採用されています。ISOの標準では、PMVが±0.5以内、PPD(不快者率)10%以下となるような温熱環境を推奨しています。
快適性は測定器で測定することができます。室内でのみ測定可能で、直射日光下には適していません。人体の熱負荷に基づいて解析した理論式で、PMVを算出することができます。

活動量
PMVには6つの要素があり、そのひとつが活動量です。
活動量のほかには温度や平均放射温度、相対湿度などがあります。平均気流や着衣量も6つの要素に含まれています。
PMVの要素の一つである活動量は、Metで表します。Met(Metabolic Equivalent)は運動強度で、就寝時の運動量を基準にして様々な運動量を数値化します。例えば、安静に座ったままテレビなどを観賞しているときは1METと、平地を普通に歩いたり部屋の掃除などをしていると3METsとなります。自転車に乗ることは4METs、階段の上り下りは6METsとなります。

住宅を建てる場合、家全体の快適性を考えて温熱設計を行います。
適切な温熱設計を行うことで、年間を通じて快適性の高い環境を安定して提供することができます。