快適な室内環境要素 着衣量(clo値)

室内環境 着衣量

室内環境と着衣量
快適な室内環境の要素に着衣量(clo値)があります。
人が着ている衣服の熱抵抗や断熱性能を表します。英語の”cloth”(衣服)の頭文字を取って、単位は”clo”(クロ)とされています。裸の状態では、衣服の断熱性は無いため、0クロになります。半袖シャツ・半ズボンでは0.3クロ、ジャケット(スーツ)に長袖シャツ・長ズボンでは、1.0クロです。そのうえにコートを羽織ると、2.0クロになります。

着衣量の測定
着衣量の測定には「サーマルマネキン」という測定器があります。マネキンの各部位が熱を発し、人体の放熱を模擬します。サーマルマネキンに衣服を着せて、マネキンの温度を測ります。着衣量が増えると熱抵抗が増えるため、それだけ厚着していると推測できます。1cloは気温21℃、相対湿度50%、平均風速0.1m/sの室内で着席安静時に快適と感じる熱抵抗です。皮膚表面の温度が下がると寒く感じます。服を着ると皮膚表面から熱量が逃げにくくなり、皮膚表面の温度が上がり、暖かく感じます。着衣の面積や厚さによって熱抵抗が変わります。サーマルマネキンは衣服ごとの発熱量を測定できますが、あくまでマネキンが着衣した際の数値です。個人差は反映されないと考えるのが妥当です。

一般的に室温が下がるほど、人は何枚も服を着ます。
ただ、服の枚数をそれほど増やさなくても、室温の変化によっては対応できます。例えば、暖房温度を21℃から20℃に下げる場合は次のようなデータがあります。女性だとスカートを長くする、パジャマならはんてんを着るという方法で対応できると言われています。体感温度の変化の目安としては、カーディガンで2.2℃、ひざ掛けは2.5℃、靴下で0.6℃アップすると言われています。
冬期は暖房だけに頼りすぎず、着衣量を上げることで室温をむやみに上げずに済みます。そうすれば、おのずと快適な室内環境を構築することが可能になります。エアコンで全て調整ではなく、着衣量も含めて調整するとより快適な室内環境になります。