わたしたちの生活の中で、「快適」という言葉をよく使います。「快適」というのは、人が感じる感覚によって測られるものではありますが、きちんとした指標があることをご存じですか?
多くの時間を室内で過ごす方も多いのではないでしょうか。暑さ寒さに関する、室内の快適な温熱環境をつくるためには、室内環境だけでなく、人の特性も十分に考慮する必要があります。人間の体温調節に影響を与える温熱環境の6要素のうちの1つである室温について考えてみましょう。
室温の感じ方
室内空間で快適に過ごすために設定する室温というのは、室温としての数値だけではなく、それと共に室温を設定する際に季節や湿度も合わせて考慮しながら調整するなど、実際に測定して室温を設定する事が大切です。
そのように季節や湿度も加味して室温を決めるべき理由は、一つは、同じ室内温度を設定した場合でも各季節によって湿度は大きな差異が生じてしまうために、体感としての感じ方が異なるからです。さらに、二つ目として、室内に浮遊する風邪のきっかけになるウイルスなどの数にも変化が生じてしまうためです。
国が示す指標
例えば、国は測定器を用いて算出した人間が室内で快適に過ごせると感じる数値を公表しており、ウォームビズの服装であれば空調の設定温度は20度に設定し、クールビズの服装であれば28度に設定すると心地良く過ごせる室内温度になるとしています。
こうした国が公表している20度または28度という室温を基準にしつつ、同時に湿度も合わせて測定するようにすると、より一層快適に過ごせるようになります。なぜなら、湿度が10%から15%違ってくると、体感的には1度も違って感じるようになるからだそうです。
つまり、湿度が低い状態で室内温度の設定温度も低くすると肌寒く感じますし、湿度が高い状態で室内温度が高めであれば暑く感じるので、測定器で湿度を測定したあとに、温度や温度の調整を行うことがとても重要と言えます。温度と湿度の正しいバランスが取れていれば、風邪などの病気にかかりにくくなるだけでなく、喉などの調子も良い状態を保つことできるでしょう。