クロマトグラフィーと聞いても、なかなかイメージかつかず、何のことだかわかりにくいので、
今回は、身近にあるクロマトグラフィーの例でイメージをとらえてみたいと思います。
理科の実験
物質を分離をさせる装置のことをクロマトグラフと言います。
小中学校の理科の時間などで、簡単なペーパークロマトグラフをつかって、植物色素を分離させる実験などをやったことがあるかもしれません。
身近な事例
こういう場面に出会ったことはありませんか?
「板や木製でできた壁や塀が、長い間雨ざらしにされると、そこに模様が浮き上がってきた。」
「新しい布製の白い靴を履いてでかけると、雨が降って濡れてしまったので、そのまま乾かしてみると、帯状の模様がついていた。」
これは板や布の中を水が移動していくときに、表面や中にしみ込んだ汚れや木の中の着色成分が一緒に移動していき、
同じ性質を持つ成分が一定の割合で板や布に留まり、分離し、蓄積していった様子が模様になって表れてくるのです。
これらの板や布は一種のクロマトグラフと言うことができるでしょう。
自然界のクロマトグラフ
また、自然界のクロマトグラフとも言える現象が存在します。
川の上流から下流にかけては土砂が流されていきますが、その時、土砂の粒に応じて重くて大きなものから段階的に堆積するという現象を知っていますね。
これは、川の流れによって流されていく土砂が重力の力を借りて分離されているのです。
現在の活用事例
それでは、ダイオキシン濃度や食品添加物、水質検査など検査したい対象がとても小さい場合はどうでしょうか。
これらも、企業や研究機関などで専門の装置をつかってその対象物を厳密に測定し分析されています。
あらゆる物質は目に見えない分子から成り立っています。それらを化学的・物理的な物質の性質や相互作用を利用し分離させ、測定することができるのです。
今では、クロマトグラフィーは、薬学、医学、化学など、いろいろな分野で活用されています。