人間は昔から長さを測ってきました。今回は、日本とも関わりの深い古代中国の長さの単位についてご紹介いたします。
紀元4、5世紀の書物『孫子算経』には以下のような記載があります。
1丈 = 10尺
1尺 = 10寸
1歩 = 6尺
1里 = 300歩 = 1,800尺
当時の1尺 = 23.1cm
寸、尺、里など、日本でもなじみのある単位は、1,500年ほど前の書物に記載があり、商の時代から寸や尺は使われていたようです。とはいえ、各時代によって同じ寸でも実際の長さには違いがあるようです。日本でのように、1寸=3cmになったのは、隋や唐の時代のようです。わかりやすくつながっていますね。
現在、自動車には車軸の回転数によって走行距離を割り出す測定器がついています。実はこのタイプの測定器は、遅くとも1,800年前、漢の時代には発明されていたと言われています。「記里鼓車」「記道車」などと呼ばれていました。記道車は、左右に大きな2つの車輪がついた馬車の上に、太鼓と2体の太鼓叩きの木の人形が据えられ、その上には大きな傘がついているという形をしていました。10里走ると、木の人形は10回太鼓をたたいて知らせる、というものもあったようです。
残念ながら、この記道車はだんだん儀式用になり、元の時代には記道車の製造技術は失われてしまいました。古代の人の智慧には本当に驚かされます。