マルチメーターとは、回路計とも言われるように、スイッチ(ダイヤルスイッチ、ロータリースイッチ、ボタンスイッチ、スライドスイッチ等)によって内部の計測回路を切り替えることによって、直流および交流の電圧・電流等々、さまざまな量を計測できる計測器のことです。
「保守点検用電気計測器」として扱われることもあります。
一つの計器で切換えスイッチを使って、複数の量を測定することのできるので、多機能計器、つまりマルチメーターと呼ばれています。
一般に馴染みの深い「テスター」はその一種で、直流電圧、電流、抵抗、交流電圧を測定することのできるもので、さらに特殊な用途(例えば低周波出力、温度測定など)の付加機能を有する場合もあります。
回路計は、日本工業規格(JIS) C1202 によって規格が定められています。
マルチメーターは、指針でアナログ表示する「アナログマルチメーター」と、アナログーデジタル変換してモニタに数字で表示する「デジタルマルチメーター」に大きく2つに分類できます。
古いタイプには、スイッチではなく、プラグで差し替えて回路を切り替えるタイプがありました。
アナログマルチメーターは、「アナログテスター」とも呼ばれます。広範囲の直流電圧、直流電流、交流電圧、電気抵抗の測定が可能です。
多機能機種では、直流以外の交流電流、トランジスタの電流増幅率、コンデンサの静電容量、温度などが測定できるものもあります。
デジタルマルチメーターは、「デジタルテスター」とも呼ばれます。アナログーデジタル変換回路を利用して、測定値をモニタにデジタル数字で数値を表示する回路計のことです。
直流電圧、電流、交流電圧等をデジタル表示することができ、3~5桁の表示が可能です。デジタルマルチメーターは、アナログ方式より精度が優れていると言われています。