デジタル・オシロスコープの一般的な機能(2)
(3)Envelope、グリッチ(Giltch)観測(peak detection機能)
peak detection機能は、変調波のEnvelopeやグリッチの観測に便利な機能です。通常のサンプリング方式ではメモリ容量の制約により、Time/Divで定められたサンプリング周波数でA/D変換を行うため、サンプリング周波数より高い周波数を含むグリッチや、変調波などを捕捉出来ません。
peak detection機能は、これをサンプリング周期の区間最大と区間最少電圧を検出し、A/D変換することで解決します。この機能はノイズ測定器などと同様な原理で構築されていますが、より高い周波数に対応出来るようになっています。
(4)補間表示機能
メモリに記録された波形データをそのまま点線で表示する方法(DOT)では、波形を十分に表示出来ないケースもあります。これは人の目が持つ特性上、近接する点を関連付けて判定する為です。例を挙げると、サンプリングスピードの1/25以上の周波数の正弦波を表示するとエイリアシングが発生し、正確な波形の認識が難しくなります。ナイキスト周波数よりずっと低い周波数が観測限界になってしまいます。
これを改善するのが、補間表示機能です。デジタル・オシロスコープで使用されるのは、主に直線補間とサイン(正弦波)補間です。直線補間はデータ間を直線で連結し、エイリアシングを防ぐ方式で、サンプリングスピードの1/10以下の周波数を表示出来ます。