電源完全性について（1）
今回の記事では、電源完全性の測定に関して、測定する過程で持っておくべき認識や、考察などをご紹介していきたいと思います。
まず以下から、測定と分析における3つの重要な原則を記載します。
・問題を解決する最も早い方法は、根本的な原因を把握する事です。それが出来なければ、全ての結果が運に任せるしかなくなるでしょう。
・測定を行う時、どのような結果が出て来るかを予想し、それに対するヒントを常に持っておく必要があります。万が一結果と予想が違ったら、測定に使用した設定が間違っていたり、テスターの過程が間違っていたことになります。アメリカの半導体専門家であるボブ・ピーズは、結果が予想と違っていた時の原因として「SPICEシミュレーション」を疑いました。多くの場合、エンジニアがSPICEを使用する時どのような結果が出て来るのかを予想しない為に、問題の解決策を探すときに全く見当違いの方向へ進んでしまう可能性がある、と言っています。
・測定を通じて、実際の現象を確認することが出来ます。エンジニアが測定を通じ、DUTの仕様を直接確認するのが、理想的な習慣です。データシートが常に正確ではない為です。
