オシロスコープ 79

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波形を安定的にディスプレイする(1)

波形を安定的にディスプレイすることは、オシロスコープユーザーが最初に直面する課題です。多くの最新型オシロスコープは「自動設定」機能がありますが、このボタンを押せば自動でトリガシステムを設定し、デコボコとした波形ディスプレイを安定した波形へと変換してくれます。

しかし自動設定は、水平軸・垂直軸設定を変えてしまう可能性もあります。最新のオシロスコープにはチャネル設定で「詳細スケール機能」のような機能を提供するものがあります。この機能を使用すれば、水平軸とトリガ設定を変えることなく、垂直軸スケールとオフセットのみを調節することができます。もちろんStopボタンを押すことも出来ますが、リアルタイムで波形のアクイジションを見ることが可能となります。より高度な方法を使えば、他の設定も変更することなく安定的な波形だけを取得することも可能です。

方法を見ていきましょう。入力信号をオシロスコープに連結し自動設定を押すと、DCカップリングに合うように、トリガが上昇エッジを基本として合わせてくれます。もし入力信号がASK(amplitude-shift-keying)信号の場合、オシロスコープは継続的な上昇エッジをトリガしますが、多すぎる信号が表示されるようになります。その結果、ばらつきがある不安定な波形がトレースに現れます。

この場合、単純なエッジトリガだけでは解決が難しいです。信号の安定的な特性を探し出せるよう、信号に対してより詳細な情報を持つトリガシステムが必要となります。