オシロスコープ 57

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オシロスコープの歴史 CRT(2)

初期の陰極線管は、1919年まで測定を目的として実験室で使用されました。初期の陰極線管は真空と陰極線エミッタが不安定で、使用にあたり多くの問題があったと言われています。熱電子エミッタを適用することにより、動作電圧を数百ボルトまで下げました。アメリカ企業であるWestern Electricは、このタイプの産業用チューブを紹介しました。またこのチューブは内部に少量のガスを収入し、電子ビームの集中度を高めました。

ウラジミール・ツヴォルキン(Vladimir Koz’mich Zworykin、V. K. Zworykin)は1931年、熱イオンエミッタを利用した永久的に密閉された高真空陰極線管を作りました。この安定的で再現可能な部品を使い、General Radio(後のGenRad)社が、研究室外でも使用可能なオシロスコープを開発しました。

1930年代、イギリス企業であるA.C.Cossor(後にRaytheonに買収される)が二重ビーム・オシロスコープを開発しました。CRTは真の二重ビームではなく、垂直偏光板の間に3番目のプレートを設置し、ビームを分ける方式だったと言います。第二次世界大戦の当時、レーザー装置の開発とサービスに広く使用されましたが、目盛りが無く測定装置としては使えなかったそうです。しかしIF回路の応答カーブを作り、それを正確に調整するのに使われていたとのことです。