オシロスコープの歴史 CRT(1)
オシロスコープの歴史を振り返ってみると、かなり昔までさかのぼっていくという事に驚きます。ガルバノメーター(検流計)を使い手動、または半自動で記録するレコーダー形式が、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)が登場する前まで主に使われていたようです。陰極線管が開発された後のものから見ていきたいと思います。
19世紀末に陰極線管が開発され、その当時、陰極線管は電子物理(主に陰極線)を表示したり、関連する研究に主に使用されました。ドイツの物理学者カール・フェルディナント・ブラウン(Karl Ferdinand Braun)が1897年、本人の実験に必要なCRTオシロスコープを開発しました。このオシロスコープは燐光体がコーティングされているCRTに、振動する信号を電気的に充電されている偏向板に印加する方式でした。この時ブラウンは、冷陰極エミッタとかなり高い電圧(20,000 ~ 30,000Vの電圧)を使用しました。内部には垂直偏向板のみがあり、ダイムベースの為、回転する鏡を使って観測したと言われています。1899年、ヨナタン・ツェネック(Jonathan Zenneck)は陰極線管にビームフォーミングプレートを装着し、磁気場を利用してトレースをスイープしました。