バナースペックとしての、オシロスコープのアップデート速度(2)
アップデート速度は、デバッグ方法を見つける事が困難になる可能性がある為、非常に重要です。上でお伝えしたように、グリッチ信号に対して見てみましょう。もしグリッチの存在を事前に知っていれば、パルス幅トリガを利用し簡単にグリッチを見つけられるでしょう。大きな問題を起こす原因がグリッチという事が見当もつかない、というのが一番大きな問題です。私たちが新しい回路ボードを設計する時、大抵はピンとピンの間だけ検査します。速いアップデート速度を持つオシロスコープは、日常的に行われる検査過程でもグリッチを検知出来る件数が増えます。そうすれば、ボードに対する信頼度も上がることでしょう。万が一オシロスコープのディスプレイへ確信が持てないとしたら、各ピンでの潜在的な問題を検知する為に、オシロスコープのトリガシステムに全面的に依存しなければならないでしょう。
速いアップデート速度は、正確なカーソル測定も提供します。例として、5秒以下で6σ(シックス・シグマ)の為の十分なデータ取得が可能なオシロスコープもあります。結果的に、より信頼出来る、最悪の状況でも正確な測定結果を得ることが出来ます。また、今までよりも短い時間で作業を完了できることでしょう。これはR&Dにおいて、同じ時間でよりたくさんの測定を行えるという事を意味します。速いアップデート速度を持つオシロスコープを搭載した生産測定システムが、遅いアップデート速度のオシロスコープで構成された測定システムより、生産性が高いという事になります。