「デジタル・フォスファー・オシロスコープ(Digital Phosphor Oscilloscope、DPO)」(2)
種類を問わずどのようなオシロスコープでも計測器が最も最近に獲得したデータを処理し、システムを再度設定、次のトリガーイベントを待つ間に常にホールドオフタイムがあります。この時、オシロスコープは全ての信号活動を認知することが出来ません。ホールドオフタイムが長くなればなるほど、断絶的に発生するイベントや、反復回数が少ないイベントを把握する可能性が低くなります。
キャプチャーの機能性を単純にディスプレイアップデートの速度のみで判断出来ないことをを覚えておきましょう。アップデート速度だけ重視していると、オシロスコープが波形に対する適切な情報を全てキャプチャーしていると考えがちですが、実はそうではありません。
デジタル・ストレージ・オシロスコープはキャプチャーした波形を順次処理します。マイクロプロセッサーの速度が波形キャプチャー速度を制限するので、この過程でボトルネックになります。デジタル・フォスファー・オシロスコープはデジタル化された波形データをデジタル・フォスファー・データーベースとしてラスタライズします。人間の目が認知出来る最大速度である、1秒あたり1/30回ごとにデータベースに保存された信号イメージのスナップショットが、ディスプレイシステムに伝達されます。