品質管理の原点 8

20180729

計測のトレーサビリティの基準である、
国際規格であるISO9001やJIS Z 8103(計測用語)には、
計測のトレーサビリティによって、「不確かさを表記」することが求められています。
しかし、すべての測定結果に不確かさを表記するのは、現実的ではありません。

一般的な計測のトレーサビリティ証明書は、
国家基準に近い上位の階層で実施された校正記録に
不確かさが表記されています。
また、凡用性の高い測定器については、
許容差の範囲内に入っていることを確認して使用されることが多いです。

ISO 9001の審査の場合、
すべての測定結果に不確かさと表記されていなくても、
測定器の連鎖が国家標準につながっていれば、良いとされているのが現状のようです。

不確かさを自分で評価できない場合や、
不確かさが表示されていない場合は、
証明書や成績書には、精度や規格、許容差が表示されているので
その精度や許容差を不確かさの項目の1つとして計算されています。

昨今、製品規格などの不確かさに関する必要事項の記載が増えています。
ですから、今後、不確かさの表記についての動向に注意が必要です。