計測のトレーサビリティ

20180630

まず、「計量計測トレーサビリティ」の定義について確認します。
国際計量計測用語-基本及び一般概念並びに関連用語(VIM)では、
『個々の校正が測定不確かさに寄与する、文書化された切れ目のない校正の連鎖を通じて、測定結果を計量参照に関連付けることができる測定結果の性質。』と定義されています。

対象となる計測器が標準器によって校正された際、その校正結果は、標準器と計測器の関係を物理量の入力と出力の関係として「数値」と「単位」によって表されます。そして、この標準器とさらに上位の標準器との校正結果も、同様に全て物理量の入力と出力の関係として「数値」と「単位」によって表されます。

つまり、計測のトレーサビリティとは、これらの校正結果を次々にたどり、最終的に国家標準や国際標準に至る物理量の連鎖を明らかにすることです。

トレーサビリティを証明する書類は、品質管理の運用として欠かせないものであり、広く産業界に出回っています。しかし、必要な書類とそうでない書類があります。書類の数が増えるほど、管理するにも余分なコストがかかってしまいます。また、計測器の製造メーカや校正事業者などトレーサビリティの証明書類を発行する立場の人に無意味な工数を課してしまう可能性もあります。
そのため、計測器を供給する立場の人はトレーサビリティ証明に必要な書類を正しく認識する必要があるのです。