測定の世界では、不確かさや精度を求める際に、有効数字2桁を用います。測定値と実際の大きさとはいくらか違いがあり、それを誤差と言います。そうした誤差は正確な計器を作ることができないことや、計器の最小目盛りなどの目盛りの目視読み取りの差などにより生じます。したがって、測定値も近似値ということができます。
それでは、こういった場合になぜ、有効数字2桁を用いて求めるのでしょうか。
不確かさや精度を求めるには、測定(校正)の繰返し性や再現性、環境感受性などを評価するために、その結果得られたデータを元に算出することになります。その際、この時に得られたデータの分散の推定精度が、不確かさや精度を表記する際の有効数字に大きく関わります。
これは、測定する回数:n(サンプリング)が限られた中で実施されることにより、純粋に統計学的な理由から決まるもので、この時のデータの分散の推定精度はほぼとして近似できます。
通常は数回程度の測定ですが、50回測定したとしても推定された分散は10%変動してもおかしくないため、有効数字2桁より多い桁数(不確かさや精度の1/10以下)で表す意味はあまりないのです。
こうした理由により、不確かさや精度の表記方法を有効数字2桁までされています。また、有効数字3桁目を四捨五入、または切り上げることで十分とされている理由です。