あるべき測定結果(測定値)に対して、なんらかの要素が影響して測定結果が異なるとき、その差を「測定誤差」と呼びます。
誤差には様々な原因があり、それに応じた対処が必要になります。誤差にもいくつかの分類がありますが、ここでは誤差について考えることの重要性について見ていきましょう。
測定結果には必ず誤差が含まれていますが、その後さの大きさを考え、想定しながら測定することが非常に重要になります。例えば、100mmほどのステンレスの丸棒の長さを測る場合を考えます。
メーカーからこの丸棒を購入した際、仕様書には「長さ:100.000mm(at 20℃) 材質:SUS304」と記載があったとします。これをノギスを用いて長さを測ったところ、100.01mmでした。次に分解能0.001mmのマイクロメータで測ります。その結果、100.013mmでした。ノギスとマイクロメータで測った測定結果には、0.003mmの違いがあるということになります。つまり、ノギスよりもマイクロメータの方が分解能は高いことになります。従って、ノギスでは測ることのできない桁での違いはありますが、この時点でわかっている情報から判断すると、仕様書に記載されている数値100.000mmに比べ、0.010~0.013mmは“長い”という結果であったということです。
この測定結果は正しいのでしょうか。