誤差とは 1

20180402-6

きちんとリスクを設定し、「4対1理論」を用いることで、計測器と測定対象の精度比を適切に設定することが可能になります。しかし、使用する計測器を正しく使うことができなければ、期待する精度を実現することはできません。「4対1理論」は、あくまでも正しい計測が実施されることを前提として成り立つものなのです。

そこで、今回の記事から、“誤差”という数値・考えについて解説していきたいと思います。

まず、測定結果には必ず誤差が含まれています。言い換えると、誤差のない測定はあり得ない、ということです。そもそも誤差とは、JIS Z 8103(計算用語)によると、「測定値から真の値を引いた値」と定義されています。ここで、真の値とは、「ある特定の量の定義と合致する値」と定義され、これは、「観念的な値で、実際には求められない」と解説されています。

つまり、観念的・理論的な話である真の値は数値として特定することはできず、同時に、真の値を前提とする誤差も求めることができないということになります。

数値化できなのであれば、測定しても結果は求められないのではないかと考える方もいるかもしれません。次回は、具体例を引き合いに出し、この辺りの考えを見ていきましょう。