合否判定基準の決め方 2

20180402-2

前回、合否判定基準を決めるには、相反する二つの問題があることを紹介しました。この問題を解決するには、存在するリスクを明らかにすることが必要です。そして、そのリスクは統計的処理により数値化できます。

David Deaver氏が“Guardbanding and the World of ISO Guide 25 Is There Only Way ?”という論文を発表しています。この論文内において、合否判定基準は“ガードバンド”という言葉で表現されています。論文を用いると、統計的なリスクの算出ができ、またこのリスクは2%以下に設定することが適切であると言われています。

そこで、精度比が4対1を満足する計測器を用いることを前提とすると、リスクを2%以下にするには、製品スペックの75%以下に製品の合否判定基準を設定すれば良いということになります。

具体的に、製品スペック1.0%の製品を例にして考えてみましょう。この場合、リスクを2%とすると、製品検査の合否判定基準は製品スペックの75%になります。ここで、リスク2%というのは、製品検査の結果、合格品の中に2%の不良品が含まれるという意味ではありません。

次回も引き続き、合否判定基準について解説します。