製品(計測されるもの)と計測するもの(計測器)との精度比を4対1に設定することで、適切な測定ができるという「4対1理論」については以前、解説しました。今回は、「4対1理論」のもと、実際の出荷検査などにおける合否判定基準について解説していきます。
これを考える上で、相反する二つの問題を考えなければなりません。
1.合否判定基準を狭めすぎた場合
この場合、製品スペック内に入っても、合否判定基準を超え、不合格と判定される製品の割合が高くなり、コストが増加します。
2.合否判定基準を広めすぎた場合
この場合、合格と判定する製品の割合が高くなります、制度不良の製品を出荷する可能性が高くなり、品質クレームの増加が懸念されます。
この二つの問題を考慮し、バランスのとれた合格判定基準を決めたいものです。しかしながら、これを決めるのは難しく、生産現場にいれば、誰もが悩む問題だと言えます。制度不良の製品を世に出すことは避けなくてはなりませんが、なるべくコストを抑え、過剰品質になることは避けたいです。
この問題を解決するには、「検査で合格と判定した製品の中に、製品スペックを超える製品が含まれるリスクが、どの程度存在するのか」を明らかにする必要があります。このリスクは、統計的処理によって数値化することができます。
次回は、この数値化という点を踏まえ解説していきます。