今回も「4対1理論」について解説していきます。
精度比A:B | 製品精度A | 計測器の精度B | 測定の精度C | 影響度D(=C/A) |
1:1 | 0.50% | 0.50% | 0.71% | 1.4 |
2:1 | 0.50% | 0.25% | 0.56% | 1.1 |
3:1 | 0.50% | 0.17% | 0.53% | 1.1 |
4:1 | 0.50% | 0.13% | 0.52% | 1.0 |
5:1 | 0.50% | 0.10% | 0.51% | 1.0 |
10:1 | 0.50% | 0.050% | 0.50% | 1.0 |
上記のデータ表から読み取れるように、精度比が4対1〜10対1と高い場合、影響度Dは全て1.0となり、計測器の精度Bが製品精度Aに影響しないことがわかります。逆に1対1〜3対1のように、精度比が低い場合、影響度が1.1となり、製品精度に影響を与えていると言えます。こういった点から、精度比を4対1以上にすることで計測器の精度が製品精度に及ぼす影響を考えなくても良いということになるのです。
それでは、4対1よりも精度比を高く設定する必要はないのでしょうか。
製品精度への影響に関しては、精度比を4対1より高くしてもほとんど変わりません。逆に、精度比を高めることは、高精度の計測器を用意することになり、一時的にコストが増加します。このコストは計測器の購入費用だけでなく、計測器を管理するための時間や人、技術にまで及ぶと考えられます。そのため、コストと必要とする制度とのバランスが取れるポイントをイメージする必要があります。こういった点で考えても、4対1が適切なバランスであることがわかります。