「4対1理論」について、引き続き解説していきます。
素朴な疑問ですが、計測されるもの(製品)と計測するもの(計測器)の精度比はなぜ4対1で良いのでしょうか。
仮定のとして、0.50%の精度をもつ製品を出荷しようとしていたとします。この時、製品検査に用いる計測器の精度は、「4対1理論」より0.50%の1/4 から0.13%ということになります。この0.50%と0.13&を合成した精度、つまり製品精度と計測器に用いる計測器の精度を合成した精度について考える必要があります。これは、実施した出荷検査の制度、つまり、測定の精度ということです。
製品(計測されるもの)精度をA、計測器の精度をB、測定の精度をCとします。この場合、CはC=√(A^2+B^2 )という公式を用いて求めることができます。この式から、計測器の精度Bが測定の精度Cに影響を及ぼすことがわかりますが、計測器の精度Bの値が大きくなるほど、測定の精度Cの数値は大きく(悪く)なります。ですから、測定の精度Cが製品精度Aに近い値になれば、実施した測定は適切に行われたと判断することができます。
影響度Dを考えます。影響度は、製品精度Aから見て、測定の精度Cが妥当なものであることを判断するものです。D=C/Aで求めることができます。Dが1に近づけば近づくほど、計測器の精度Bの影響が少ないことになります。
次回も「4対1」理論について解説していきます。