製品検査や出荷検査などの現場で、計測器は適切なものが使用されているでしょうか?また、どのような基準で選定されているのでしょうか。
品質意識の高まりや、計測器の管理が厳しく行われるようになった今日ですが、適切な計測器を用いて正しい検査や測定が行われているかというと、意外とそうではないのです。
適切な計測器の測定には、“精度”について考えなければなりません。測定に必要な精度と、これを実現するために必要な精度を設定して初めて適切な計測器の選定ができるようになります。
しかし、実際の現場では、「前任者が使用していたものをそのまま使用するため大きな問題はないだろう」、「高精度な計測器を使用しているため、測定は正しく実施できているだろう」などといった考えで、計測器の選定が正しく行われていないことは多々あります。
こうした場合、計測器の能力不足により正確な計測ができていなかったり、必要以上に表示桁数の多い計測器を用いることで表示値がばらつき、読み取りに時間がかかるなど、無駄な労力をかけることになります。
適切な“精度”というのは、どのように決めると良いのでしょうか。次回は、実際の企業現場について考えていきましょう。